医者は普通の人間なのか?筋弛緩剤誤投与で患者死亡のニュースより

徳島新聞web
筋弛緩剤誤投与で患者死亡 健保鳴門病院、解熱剤と取り違え 2008/11/20
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2008/11/2008_122714390659.html

先頃、地元の総合病院で薬の処方ミスによって70歳代の男性が死亡しました。当直医が名前のよく似た解熱剤と筋弛緩剤を間違ったそうです。男性は退院間近だったそうです。ご本人、そしてご遺族にはやりきれない出来事とお察しします。

この件では病院もミスを認めて謝罪しています。全くの単純ミスだったようです。地元新聞では当直医が看護師に薬品名を確認されたにもかかわらず、医者が投与を指示したこと、パソコンによる処方の間違いを防ぐ手立てを実施していなかったこと、医者の過重労働の可能性などが言われています。


時を同じくして
読売新聞
「カルテは独学」別人名義でニセ医者30年 2008/11/20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081120-00000059-yom-soci

という事件もありました。

元々レントゲン車の運転手だった男が、お金ほしさに見よう見まねでニセ医者をはじめたという事件です。
ニセ医者とはいうものの、これまで事故や苦情はなく、患者の評判も良かったそうです。犯人なりに手術はしない、難しい患者はほかに回すなど自分にあった仕事?をしていたようです。

己の技量をわきまえた無資格の医者と、看護婦の意見に耳を貸さない有資格の医者。。。。どちらに診てもらったほうが良いのか。。。。ドキドキ


それはさておき、鳴門病院の場合は「単純なミスほど予防しにくいもの」と病院長が言ったそうですが、医療ミスなど(本物の医者による)『あってはならない事故』が起こったときによく言われるのが
『医者だって普通の人間だ!ミスもする』
という台詞です。

なるほどその通りですが、100%納得いかない点もあります。それは『普通の』です。

私は『医者は人間だけれども、普通の人間ではない』と思っています。医者は『特別な人間』です。


普通の人間は学校を出てすぐに自分の親よりも年上の人から「先生」なんて呼ばれることはまずありません。職業人として一人前になる前に既に「先生」なのです。普通じゃないです。

また、患者は治っても治らなくても医者にはお給料が出ます。健康保険は患者となる国民の経済的負担を軽減するとともに医者の取りっぱぐれを防ぐ機能も果たしています。

医者になったその日から保護され、敬われるのです。普通なはずがありません。

思うに、このような環境で社会人として成長するのに重要な最初の数年を過ごしてしまうために、医者自身にも『自分は特別な人間だ』という意識が少しずつつくられていくのではないかと思います。


勿論、医者が自分を特別と思うことを責めているのではありません。私自身はむしろ特別であるという自信を持って欲しいくらいです。何よりも医者は人の命を救うことができるのですから。

ただ、今後は医者は普通なのか特別なのか、医者自身の決断を迫られる時が来るのではないかと思っています。
双方のメリットデメリットを併せ呑んだ上で『責任ある普通』もしくは『責任ある特別』を選ばないと医者を中心とした医療はさらに厳しい状況に置かれるのではないでしょうか。不都合な事態が起こったときだけ『医者は普通の人間説』を言っても説得力は無いのです。

普通であるなら、それに見合う常識、教養、人格を備えるべきです。平素から普通の人間として他人に接する際の態度くらいは心得ておくべきでしょう。親より年上の患者やスタッフにタメ口、逆アップはダメダメブーイングです。

一方、特別を選ぶなら、それに見合う、知識、技術、教養、人格を備えるべきであり、失敗のあったときも特別な人間として取るべき行動を取る必要があります。

今回のお医者さんは自分のミスに気づいたときにまずなにを思ったのでしょうか。 我と我が身の保身?それとも患者の死の重さと無念さを感じたのでしょうか?そのあたりが普通と特別の境目かもしれません。

日頃、お医者にお世話になっている者から見ると医業は尊い仕事だと思います。
普通のお医者さんも特別なお医者さんも頑張ってください。私のためにキラキラ

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